何度も聴いていると、
最初のうちは、まったく何気なくスルーしてしまっていた
重要なことに、あらためて気がつくことができるので、
音声ファイルはやはり便利ですね。
この音声ファイルでは、距離短縮だけではなく、
血統についての見解も紹介されていて、有益な情報だと思うのですが、
私は、その紹介方法について多少違和感を感じています。
というのも、
この音声ファイルの中では、
「◯◯産駒だから××」
という説明がされているところがあるのですが、
この表現方法は、解釈によっては、非常に危険だからです。
これは血統や競馬予想だけでなく、
すべてのことについて言えるわけですが、
「A=B」というようなルールは、
自然界における原理、原則においては確かに真実かもしれませんが、
人間や動物の思考や行動においては、
必ずしもそうとはいえないわけです。
あくまでも、
そういう傾向があるというだけで、それが絶対ではないわけです。
たとえば、世界から見た日本人のイメージは
勤勉、礼儀正しいといったところだと思います。
このイメージは、日本人をひとくくりとして捉えた場合、
確かにそう見えるかもしれません。
しかし、日本人ひとりひとりを見れば、
当然ながらまったく働かない人もいますし、
わがままで自分勝手な人もいるわけです。
つまり、全体の傾向としては確かにそうかもしれませんが、
すべての日本人に共通した特徴ではないわけです。
音声ファイルの表面的な浅い解釈だけで競馬予想をする人は、
紹介されているとおりの買い方をして、上手くいかなければ、
「距離短縮なんて、役にたたないじゃないか」
「◯◯産駒が距離短縮で走るなんて、ウソじゃないか」
と、この馬券術を参考にしたことを後悔するかもしれません。
しかし、
根本的な原因は、音声ファイルの内容を
「A=B」
というような絶対的なルールとして、
競馬予想に当てはめようとすることに、
そもそも無理がある、ということなんです。
そもそも、種牡馬の適性というのは
相対的な評価によるものであり、絶対的な評価ではありません。
たとえば、ある適性を持った種牡馬Aがいたとしても、
その適性をさらに上回る種牡馬Bが出現すれば、
その時点で、その適性は種牡馬Aの特徴では
無くなってしまうわけです。
音声ファイルの中でも紹介されていましたが、
シャイニングスコーピオンさんが昔参考にしていた
「●の法則」がいまでは、あまり有効ではないことからも、
種牡馬の傾向というのが、絶対的なものではなく、
時代とともに変化する相対的なものであることは明白でしょう。
原理原則と傾向を混同しないでください。
傾向は絶対でないことをいつも意識してください。
「なぜなのか?」
を考えることによって、
傾向に対する理解度はさらに深まりますよ。
種牡馬による競馬予想は有効なのか?
相変わらずこの音声ファイル、聴き続けています。