「馬券を買い続けるとある一定の回収率に収束する」
もし、これが真実ならば競馬で負け続ける人などいないはずです。
しかし、競馬で勝ち続ける人がいる一方、負け続ける人も存在する。
ということは、この考え方はウソである、もしくはカラクリがあるということです。
今回は、競馬で負ける人は、なぜ負け続けるのかについてご紹介します。
いい加減な馬券術に惑わされない方法
まず、前提条件として考えなければならないのは、理由と結果に因果関係が必要だということです。
たとえば、サイコロの出目を考えてみた場合、それぞれの目が出る確率は「1/6」です。
そして、「1/6」の確率となるためには、サイクロの形状が均一であることが条件となります。
つまり、サイコロの形状が均一であるという前提条件があってこそ、それぞれの目が出る確率は「1/6」となるのであって、形状と出目には直接的な因果関係があるわけです。
競馬予想においてもこのような因果関係を見つけることができれば、当然馬券術に応用することが可能なわけですが、残念ながら、なかには因果関係がないにもかかわらずあるかのように表現されたものもあります。
たとえば、1番人気を買い続けると回収率が80パーセントになるという調査結果があったとしましょう。
この結果は事実なので確かに正しいのですが、ここで注意しなければならないのは、回収率80パーセントという結果と1番人気を買い続けるという理由の関連性です。
サイコロの例のように、人気と回収率に直接的な因果関係があればこの考え方は正しいのですが、残念ながら人気と回収率とに直接的な因果関係はありません。
因果関係が無い以上、1番人気という条件で調査した結果、たまたま回収率が80パーセントになったという事実だけで、今後もこの回収率が継続する理由は見当たりません。
つまり、因果関係がないものをどれだけ調べても過去の事実が分かるだけで、未来の競馬予想に応用することはできないということです。
負け組の競馬予想から脱出する方法
また、この考え方は競馬で負けている人がどれだけ馬券を買い続けても、控除率を引いた回収率にならず、負け続ける理由についても説明することができます。
馬券を買い続けていれば控除率を引いた回収率に収束するという考え方は「馬券を買う人すべてが同じ馬券の買い方をする」という前提において有効です。
しかし、現実的には、競馬予想の方法や馬券の買い方は人それぞれであり、この前提条件は適用されません。
競馬予想の方法や馬券の買い方が異なるということは、サイコロでたとえれば、形状がいびつなサイコロを振って、狙った出目を出そうとしていることと同じです。
たとえば、サイコロの「1」を出したいと考えた場合、「1」が出やすい形状のサイコロを持っている人にとって「1」を出すことは容易でしょうが、ほとんど「6」しか出ない形状のサイコロを持っている人にとっては、「1」を出すことは至難の業でしょう。
つまり、どれだけ頑張ってもサイコロの形状を変えなければ、出目は変わらないということであり、これを競馬予想に置き換えれば、どれだけ競馬予想を続けても競馬予想の方法や馬券の買い方を変えなければ、競馬で負けている人は負け続けるということです。