穴馬を探す時、あなたはどんなポイントに注意して馬柱を眺めていますか。
穴馬は実力や適正がない馬ではありません。
穴馬は実力や適正と、馬券を買う人の評価にギャップがある馬なのです。
では、実力や適正があるにもかかわらず、馬券を買う人に低評価されている馬とは具体的にどのような馬なのでしょう。
今回は、穴馬を見つけ出すポイントについて考えてみます。
休み明け
競走馬の休み明けは、一般的には割り引いて考えるべきだと考えられています。
なぜならば、休み明けの馬はレース感が戻りきっていなかったり、一度緩めた馬体が戻りきっていないことがあり、本来持つ実力を十分に発揮する可能性が低いと考えられているからです。
とはいえ、競走馬の休み明けは、ただ休息しているばかりではありません。
実際には、レースを使われていた時と同じように、休養先で調教を行っているケースがほとんどです。
また、調子を落とした馬を調整するために、短期放牧を行うケースも考えられます。
この場合には、休養ではなく調整が目的のため、休養が目的のケースとは異なり、休み明けとはいえ能力を発揮できる状態に仕上がっているばかりか、馬のリフレッシュ効果も期待でき、スタート直後の馬の行きっぷりが今までとは全く異なるケースも少なくありません。
また、競馬新聞には、トレーニングセンターでの調教内容について、本数やタイムなど細かい部分まで掲載されていますが、放牧先での調教内容については、まったく把握することができません。
厩舎コメントなどで、推測することも可能ですが、曖昧な部分が多くコメントをそのまま鵜呑みにすることはできません。
つまり、何らかの根拠によって印を打つことを求められている競馬新聞記者にとっては、曖昧さの多い休み明けの馬は重い印を打ちにくいタイプであり、その競馬新聞記者の印を参考に競馬予想をする多くの競馬ファンにとっても、低評価されがちな馬になるということです。
芝、ダート替わり
初芝、初ダートの場合、過去のレース結果はほとんど参考になりません。
なぜならば、芝とダートでは求められる適正が異なるからです。
つまり、初芝、初ダートにおける競馬予想に関する情報は、ある意味新馬戦と同じようなものなのです。
初芝、初ダートは新馬戦と同じようなものにもかかわらず、競馬予想をする人は、求められる適正のまったく異なる過去のレースを一生懸命参考にし、答えを導き出そうとします。
もちろん、中には芝、ダートを問わず高い適正を持つ器用なタイプもいますが、芝とダートで同じようなパフォーマンスを残すことができるタイプに、馬券妙味はありません。
「芝で凡走を続けながらも、ダートで一変」
このようなタイプこそが、馬券を買う多数派の裏をかく美味しい馬券なのです。
芝、ダート替わりでの狙い目は、初芝、初ダートばかりではありません。
もし、初芝で凡走をしたとしても、続けて芝のレースに出走してきたとすれば、その出走には、何らかの意図が隠されているかもしれません。
一般の競馬ファンには分からない、厩舎関係者による意図や思惑があるのかもしれません。
芝、ダート替わりの2走目も、多数派の裏をかく美味しい馬券になる可能性を秘めています。
距離短縮、距離延長
芝、ダート替わりと同じことは、距離短縮、距離延長にも当てはまります。
つまり、競走馬には距離適性があるにもかかわらず、競馬予想をする人は、求められる適正のまったく異なる距離のレースを一生懸命参考にし、答えを導き出そうとするということです。
距離短縮することで、折り合いを欠いていた馬がうまく折り合い、本来持つ能力を今まで以上に発揮できるようになるかもしれません。
距離延長することで、今まで追走にも手こずっていた馬が、好位でレースを進めることができるようになり、いままでのレース結果がウソのようにあっさりと勝ち切ることができるかもしれません。
つまり、距離短縮、距離延長による競走馬への影響は未知数であり、いままで凡走を繰り返していた馬の場合には、過去の実績に引きずられ馬券を購入する競馬ファンが多ければ多いほど、そのギャップが大きくなる可能性を秘めているということです。
遅い走破時計
競馬は、最も速くゴール板を駆け抜けた馬が勝ち馬になる競技です。
しかし、単純に速い走破時計で走ることができるからといって、必ずしも勝ち切る可能性が高くなるとは言い切れません。
なぜならば、競馬には展開とか馬場差とか、走破時計だけでは比較できない要素があるからです。
一般的にスローペースになれば、走破時計は遅くなります。
また、芝コースの場合、馬場状態が悪化した場合にも、走破時計は遅くなります。
つまり、外部要因による走破時計の遅さは、あまり気にする必要がないということです。
また、走破時計の出方は競馬場によっても大きく異なります。
たとえば、同じ距離のコースだったとしても、新潟競馬場や京都競馬場など平坦コースの競馬場では走破時計が速くなりますが、中山競馬場や阪神競馬場など、ゴール前に急坂がある競馬場では走破時計は遅くなります。
つまり、走破時計や持ち時計だけを単純に比較することは、意味がないばかりか、誤った解釈をしてしまう可能性もあるということです。
今回出走するレースが昇級戦の場合、上のクラスで通用するかしないかの判断材料として、前走の勝ち時計がよく用いられます。
外部環境が整った上での遅い勝ち時計ならば、能力的に見劣る可能性が高いと判断できますが、はっきりとした理由があった上での遅い勝ち時計であれば、割り引く必要はありません。
また、勝ち時計の遅いレース内容は、競馬予想に使われるさまざまな指数においても、低評価されることが多いため、能力と評価のギャップを生む要因にもなります。
不良馬場での凡走
不良馬場は、通常の馬場状態とは異なる、ある意味異常な馬場状態です。
つまり、異常な馬場状態でのレース結果は通常の馬場状態での競馬予想においては、あまり参考にならないということです。
にもかかわらず、異常な馬場状態で1着であろうと、通常の馬場状態で1着であろうと、レース結果としてはまったく同じ1着です。
そして、どれだけ異常な馬場状態の中で行われたレースだったとしても、勝った馬の評価は上がり、負けた馬の評価は下がるのです。
もちろん、良馬場でも不良馬場でも、馬場状態に影響を受けることなく、安定したパフォーマンスを残すことができるタイプもいます。
しかし、馬場状態によってパフォーマンスに大きな差があるタイプが、異常な馬場状態で凡走したレースは、競馬予想におけるイレギュラーと考えることができるのです。
敗因のはっきりしているレース内容は、凡走だとしても割引く必要はありません。
むしろ、凡走という結果に評価を下げる競馬ファンがいるからこそ、凡走する前に比べ、馬券のリスクとリターンの割合は、あなたにとって有利な条件となっていることでしょう。
着順と着差のギャップ
馬券が的中するかしないのか、その明暗を分けるのは着差ではなく着順です。
たとえば、ある馬を軸とする馬連の総流し馬券を持っていた場合、着差が同じ0.3秒差でも、軸馬の着順が2着の場合は馬券が的中となりますが、軸馬の着順が5着の場合には馬券は紙くずになります。
だからこそ、多くの競馬ファンは着差ではなく着順に注目します。
競馬新聞によっては、馬券対象となった着順のみ背景色が変わっていることからも、その傾向は明白でしょう。
しかし、馬柱を見て競馬予想をする時には、着順だけでなく着差にも注目すべきです。
なぜならば、着順と着差の間にギャップがある場合があるからです。
たとえば、前走の着順が2着で着差が1.2秒差の出走馬がいたとしましょう。
着順だけ見れば馬券対象となる2着で一見触手を伸ばしたくなりますが、1.2秒という着差に注目すれば、あまり馬券を買いたいとは思えないでしょう。
では、逆に前走の着順が8着で着差が0.4秒差の出走馬がいたらどうでしょう。
着順に注目すれば、掲示板にも載ることができていないため、手を出しづらい出走馬ですが、わずか0.4秒差という着差に注目すれば、展開や枠順の好転により、馬券対象となる可能性が高いと判断することもできるでしょう。
着順に注目する競馬ファンが多ければ多いほど、着順と着差のギャップはチャンスを生みます。
特に、中途半端な着順でわずかな着差の出走馬がいれば、人気の盲点となる可能性がさらに高まることでしょう。
オッズと指数のギャップ
投資競馬のようなシステマチックな馬券の買い方を除き、主観による競馬予想は、少ながらず感情を含んだ馬券の買い方になっています。
感情を含んだ馬券の買い方ということは、場合によっては、過剰な人気になる可能性があるということです。
これに対し、コンビ指数やスピード指数などの競馬指数は人の感情による影響を受けません。
つまり、人の感情により過剰となるオッズと、人の感情による影響を受けない指数との間にギャップが生じる可能性があるということです。
私が、単勝10番人気の馬券を1点で的中することができたのも、人の感情による影響を受けない指数を活用した結果です。
人の感情による影響を受けない指数を基準とし、過剰な人気の馬券を避け、過小な人気の馬券を狙う。
客観的で冷静な判断力こそが、穴馬を見つけるポイントだといえるでしょう。