オッズや過去成績に頼らない予想をするための方法のひとつに、種牡馬による予想法があります。
種牡馬データの結果は非常に分かりやすいので、競馬初心者でも簡単に傾向をつかむことができる反面、見方を間違ってしまうと誤った判断をしてしまう可能性が高くなります。
では、いったいどんなことに注意して種牡馬データを競馬予想に活かすべきなのか?
今回は、種牡馬データを見る時の注意点をご紹介します。
絶対数だけではなく、割合にも注目しよう
まず、種牡馬データを見る時には、そもそもバイアスが掛かった状態であることを認識しておく必要があります。
たとえば、ある重賞レース過去10年間において「A」という種牡馬が毎年馬券対象になっていたとします。
この結果だけを見て、この重賞における「A」という種牡馬の適性が高いと判断してしまう人は残念な人です。
なぜならば、この結果には「A」という種牡馬が馬券対象となった絶対数はカウントされていますが、その重賞に「A」という種牡馬が何頭出走し、うち何頭が馬券対象となったかの割合はまったく参考にしていないからです。
確かに、「A」という種牡馬はこの重賞レースと相性のよい種牡馬かもしれません。
しかし、「A」という種牡馬の出走頭数がすべての出走頭数の半分以上を占めていたとしたらどうでしょう。
毎年馬券対象になるのは当然ともいえるわけで、逆に馬券対象にならない方がおかしいわけです。
この例は多少極端かもしれませんが、種牡馬データを見る時には、そもそも出走頭数にバイアスが掛かった状態であるため、絶対数だけでなく割合を見る視点を忘れないことが重要です。
思い込みは、間違った解釈を生む
また、「◯◯産駒だから××」というような法則と思い込んでしまうのも非常に危険な考え方です。
種牡馬や血統による傾向は、出走馬の特徴を把握するためのひとつのものさしに過ぎません。
つまり、コース適性や走破時計などその他の条件と同様、参考になる場合もあればならない場合もあるということです。
あるレースにおいて、特定の種牡馬が馬券対象になっていたとしても、それは単なる偶然かもしれません。
種牡馬による傾向ではなく、もともと馬券対象になった馬の能力や適性が高いことが理由である可能性もあります。
つまり、結果と理由に関連性を見出すことが出来なければ、競馬予想の参考にはならないということです。
過去のレース結果における特定の条件において、特定の種牡馬が馬券対象になっていた場合、何となく種牡馬による影響と思い込んでしまいがちです。
しかし、雰囲気だけでレース結果と種牡馬に直接的な因果関係があると判断してしまうのは危険な考え方です。
競馬の結果は種牡馬だけではなくその他の要因によっても決まる可能性があることも忘れないようにすべきでしょう。