騎手の能力差は、競馬の勝ち負けに大きな影響を与えています。
このため、主戦騎手への乗り替わりやリーディング上位ジョッキーへの乗り替わりなどはプラス材料と判断すべきでしょう。
そして、各厩舎データの騎手別データを集計してみると、騎手によって成績が大きく異なり馬券攻略に使えそうな傾向が浮かび上がってくることがありますが、多くの場合そのまま使うだけではあまり役にたちません。
使えそうな傾向なのに、なぜ役にたたないのか?
今回は厩舎の騎手別成績を見る時の注意点をご紹介します。
競馬も人間関係が重要
厩舎を管理する調教師、馬を所有する馬主、厩舎の管理馬に騎乗する騎手、すべて「人」です。
人である以上、そこには人間関係があり、人間関係は信頼関係によって築かれています。
ということは、もし何らかの原因により信頼関係が崩れることがあれば、調教師、馬主、騎手の人間関係が変化し、厩舎の騎手別成績に影響を及ぼす可能性があるということです。
信頼関係を築くには時間が必要ですが、信頼関係を失うのはあっという間です。
つまり、厩舎の騎手別成績も、ある日突然変化する可能性があるということです。
また、騎手の騎乗依頼の調整を行うエージェントの影響も見逃せません。
エージェントの方針が変わったり、契約するエージェントが変われば騎乗馬が大きく変化することも考えられます。
人が関わっている以上、厩舎の騎手別成績は「生もの」と考えるべきでしょう。
騎手別成績ではない騎手別成績とは
また、特定の馬による成績の場合にも注意が必要です。
たとえば、厩舎の管理馬の中で連勝を重ねる夏の上がり馬や年度代表馬に選ばれるような一流馬だけに騎乗する騎手の場合、必然的に勝率や連対率は跳ね上がりバイアスのかかったデータになります。
データとしては優秀かもしれませんが、その結果は厩舎の騎手別成績によるものではなく特定の騎乗馬による成績です。
厩舎の騎手別成績の数字だけを見ていては、このようなバイアスを見抜くことは難しいため、平均を大幅に上回る傾向を見つけた場合には、詳細なレース結果を確認し、バイアスが無いか確認する必要があるでしょう。