あなたは、3連単の馬券を購入する時、マルチにしようかフォーメーションにしようか迷ったことはありませんか?
残念ながら、マルチにしようかフォーメーションにしようか迷う人は、自分の競馬予想に自信のない人です。
なぜならば、3連単におけるマルチとフォーメーションは同じ馬券の種類であっても、馬券の買い方や予想に対する考え方がまったく異なるからです。
あなたは、自分の競馬予想の考え方を馬券に反映できていますか。
競馬予想を表現する馬券の種類として3連単という馬券を選んでいますか。
競馬予想の考え方さえ、しっかりしてさえいれば、マルチにしようかフォーメーションにしようか、迷うことはないはずです。
3連単マルチとは
3連単マルチとは、軸と相手の着順を入れ替えた組合せも的中となる馬券の買い方です。
3連単マルチには、軸1頭マルチと軸2頭マルチがあり、詳しい買い方はJRAホームページで確認することができます。
3連単マルチの買い目は、着順が入れ替わっても的中になる馬券のため、少し乱暴な表現をすれば、3連複の買い目を3連単の買い目に置き換えた馬券の買い方と考えることができます。
3連単マルチは、着順が入れ替わった場合に馬券を取りこぼすことがないメリットがある反面、買い目が多くなりがちというデメリットがあります。
3連単フォーメーションとは
3連単フォーメーションとは、1着、2着、3着、それぞれの着順に指定している馬がすべて馬券対象になれば的中となる馬券の買い方です。
着順の細かい指定が可能なため、勝つか凡走というような極端な特徴を持つ馬の場合には、2着、3着の買い目を買わずに済むことができるため、効率よく購入点数を節約することができるメリットがある反面、購入点数が分かりにくいというデメリットがあります。
なお、3連単フォーメーションの点数は、JRAホームページでシミュレーションすることができます。
競馬予想の考え方を馬券に反映する
「馬連と馬単、どちらが儲かるのか」の中でも紹介していますが、単系の馬券と複系の馬券とは、競馬予想に対する考え方が大きく異なります。
単系の馬券とは、基本的に着順を固定することを前提とした競馬予想をする場合に使うべき馬券です。
たとえば、単勝の場合には、1着になる馬を選ぶ競馬予想になるでしょうし、馬単の場合には、1着になる馬と2着になる馬をそれぞれ選ぶ競馬予想になるでしょう。
これに対し、複系の馬券とは、着順を固定しないことを前提として競馬予想をする場合に使うべき馬券です。
たとえば、3着までに入る馬を選ぶ競馬予想をするのであれば、複勝やワイドを選択すべきでしょうし、2着までに入る馬を選ぶ競馬予想をするのであれば、馬連を選択すべきでしょう。
つまり、あなたの競馬予想において、着順を固定するかしないかによって、選ぶべき馬券は自動的に決まってくるのです。
逆にいえば、競馬予想の後でどの馬券を買おうか迷っているということは、あなたの競馬予想が、いい加減で曖昧な部分が残っているというを意味します。
そして、3連単馬券において、マルチにしようかフォーメーションにしようか迷っているということについてもまったく同じ考え方ができます。
なぜならば、3連単マルチは複系の馬券であり、3連単フォーメーションは単系の馬券だからです。
勝ち切る場合はフォーメーション、3着までならマルチ
たとえば、あるレースにおいて、あなたが軸馬としたい馬がいたとしましょう。
その馬は、勝ち切る可能性が高いタイプでしょうか、それとも3着までに入る可能性が高いタイプでしょうか。
馬券の種類を選ぶということは、このタイプを見極め、その結果を馬券の種類で表現するということです。
もし、勝ち切る可能性が高い反面、凡走する可能性も高いと考えるのであれば、単系の馬券を選択すべきでしょう。
3連単の買い方で表現するのであれば、フォーメーションの1着欄にあなたが軸馬としてピックアップした馬が指定されるはずです。
また、勝ち切る可能性はあるものの、取りこぼすことが多く3着までに入る可能性が高いと考えるのであれば、複系の馬券を選択すべきでしょう。
3連単馬券であれば、マルチの軸馬としてあなたが軸馬としてピックアップした馬が指定されるはずです。
配当ではなく、回収率を重視する
あなたの競馬予想に対する考え方を馬券で表現することは重要ですが、競馬予想を楽しみ、馬券を的中する喜びをより大きく感じるためには、馬券の回収率にも注目する必要があります。
馬券の回収率に注目するということは、自分の競馬予想を馬券で表現した結果トリガミになる可能性が高いのであれば、馬券の種類を変えたり、馬券の購入を見送ったりすることも、時には必要だということです。
3連単は、高額配当が期待できる反面、買い目が多くなりがちです。
そして、対象馬の組み合わせによって、配当が大きく異なるため、あらかじめ期待値を予測することが難しく、リスクとリターンのバランスを見極めることも困難です。
リスクとリターンのバランスを見極めることが困難になると、お金を失う可能性が高くなります。
なぜならば、高額配当を期待して3連単を購入したとしても、回収率として比較すれば、単勝の方が優れていたり、場合によっては、万馬券が的中したにもかかわらずトリガミになる可能性もあるからです。
払い戻し金は万馬券、しかしトリガミの可能性も
たとえば、3連単マルチを軸1頭、相手6頭で購入したとしましょう。
この場合の買い目は、合計で90点になります。
レースが終わり、あなたの軸馬は見事1着で馬券は的中、配当は18000円の万馬券です。
「3連単で18000円の万馬券的中」
この結果だけを目にすると、素晴らしい結果にように思えるかもしれません。
しかし、回収率を計算してみると200パーセント、つまり、オッズが2倍の単勝や複勝馬券を購入し、馬券が的中した場合と、回収率としては変わらないのです。
もし、このレース結果における単勝配当が800円、複勝配当が250円だったとしたら、どうでしょう。
3連単は確かに万馬券を的中することができたかもしれませんが、単勝や複勝馬券を選んで馬券を購入していた方が、あなたの財布はより厚く重くなっていたはずです。
また、もし3連単の配当が9000円を割り込み、8000円だったとしたらどうでしょう。
馬券購入金額が9000円に対し、配当が8000円、馬券が的中しているにもかかわらずマイナス収支、いわゆるトリガミの状態です。
これが、単勝や複勝の1点買いだったとしたら、トリガミになることはありません。
なぜならば、馬券が的中した場合、ガチガチの本命の複勝でも馬券購入金額の元返しはあらかじめ約束されているからです。
つまり、3連単馬券は、高額配当など見た目が派手な反面、その派手さを維持するために、それなりのリスクが必要だということです。
なぜ、馬券の買い目を増やすのか
馬券がハズれると、人は馬券がハズれた痛みを味わいたくないと考えるようになります。
そして、馬券をハズした痛みを避けるため、買い目を増やしてしまうのです。
3連単のフォーメーション馬券で、組み合わせは当たっているのに着順が違っている場合、痛みを避けるため、次のレースでは3連単のマルチをついつい買いたくなります。
3連単の2頭軸マルチで縦目で馬券をハズしてしまった場合、痛みを避けるため、次のレースでは、3連単1頭軸マルチや3連単ボックスをついつい買いたくなります。
もし、その買い方があなたの競馬予想の考え方を表現したものだとしたら、それはひとつの表現方法だといえるでしょう。
しかし、もしその買い方が痛みを避けるためだけの買い方だったとしたら、それは、一時的な感情にとらわれた衝動的な馬券の買い方であり、馬券がハズれる恐怖から逃げる馬券の買い方です。
マルチなのかフォーメーションなのかを選ぶ前に
3連単は、馬券の種類の中で最も的中することが難しい馬券です。
だからこそ、馬券が的中した場合の破壊力はすさまじいものがある反面、連続して馬券が当たらないことも当然だといえます。
そして、3連単の買い目を多くすればするほど、馬券が的中する可能性は高くなりますが、買い目が多くなるほど、回収率は落ちていきます。
この傾向は、マルチでもフォーメーションでも、3連単でも単勝でも決して変わることはありません。
つまり、あなたの中でどれくらい馬券がハズれる痛みに耐えることができるのか、そして、馬券がハズれるリスクを上回るリターンを得ることができる競馬予想とはどんなものなのかを表現することが重要なのです。
3連単マルチで買うのか、3連単フォーメーションで買うのかというのは、その表現方法のひとつに過ぎません。
馬券がハズれるリスクと手にするリターンのバランス感覚こそが重要なのです。
馬券がハズれる痛みに耐えることができない人は、3連単だけでなく、そもそも競馬に向いていないかもしれません。
痛みに耐えることができないから、感情にとらわれてしまうのです。
痛みを避けるためだけに、買い目を増やすことは、馬券を売れば売るほど手数料を手に入れることができる側の思うツボです。
なぜならば、増やした買い目は、もともとあなたが買うつもりのなかった馬券だからです。
3連単の馬券を購入する時、マルチにしようかフォーメーションにしようか迷っている人は、自分の競馬予想が単系の予想なのか、複系の予想なのかを見直してみではいかがでしょう。
もし、何をどう見直したらいいのかすら分からないのであれば、実績ある単系の馬券に関する基本的な考え方や複系の馬券に関する基本的な考え方を盗んでみるのも効果的です。
ハズレ馬券にお金を消費するか、馬券を的中させる知識にお金を投資するかはあなた次第です。
知識や視野を広げていかなければ、いつまでたっても、あなたの競馬予想に変化がありません。
競馬新聞などの情報を手に入れただけでは、あなたが望むような競馬予想はできません。
情報を読み解く知識や視野が広がれば広がるほど、あなたの競馬予想は楽しくなると私は思います。