よく当たる競馬予想が、本当に素晴らしいのか


競馬新聞記者の中には、

素晴らしい予想をする人もいれば、

どうしようもない予想をする人もいます。



しかし、ここでいう

素晴らしい予想というのは、

よく当たる競馬予想のことではありません。



私がイメージする素晴らしい競馬予想というのは、

あなた自身の競馬予想のことです。








競馬予想の専門家と言えば、やはり競馬新聞記者でしょう。



競馬に関するいろいろな情報を入手しやすい環境にありますし、

経験も豊富です。



しかし、だからといって、競馬新聞記者であれば、

誰でも素晴らしい予想ができるわけではありません。







そもそも、

あなたは、競馬新聞記者に、何を求めているのでしょうか?




一般的な見解でしょうか、

それとも、自分の予想に対するお墨付きでしょうか。



もし、そんなものが必要ならば、

わざわざ競馬新聞の印など、確認する必要がありません。



なぜならば、一般的な見解など、

オッズを見れば一目瞭然だからです。







以前、この記事でも書きましたが、

当たり前のことを当たり前に説明する

競馬新聞記者は一人いれば充分だと、私は考えています。



なぜならば、

競馬の超初心者ならばともかく、

ある程度競馬予想の経験のある方であれば、

わざわざそんなことを自慢気に説明してくれなくても、

馬柱を見れば、そんなことは誰でも分かるからです。



しかも、そんな自慢気に説明した馬が、

通常に比べ馬券対象になりやすいかと言えば、

私の経験則では、そんなことはありません。



自信の1頭、今日の狙い馬という馬が

凡走することは、決して珍しいことではないわけです。



また、そのように紹介された馬というのは、

ほとんどの場合、買われすぎの状況になります。



つまり、馬券が的中したとしても、

注目されている分、配当的に旨味が少ないわけです。



上位人気馬を当たり前に紹介し、

紹介されることによって過剰人気となる、

よって、配当的なメリットは少ない。



こんな当たり前の競馬予想をしている競馬新聞記者の価値って

いったい何なんでしょう。








私が素晴らしいと思う競馬新聞記者は、

もし、競馬新聞記者という肩書きが無かったとしても、

その人の競馬予想や競馬に対する考え方に

興味を持てたり、共感できる人です。



逆にいえば、

もし競馬新聞記者という肩書きがなければ、

ただのおっさんとしか思えないような人は、

いわば、その肩書きだけで飯を食っている

実力が伴わない人だということです。



これは、競馬予想に限ったことではありませんが、

実力の無い人に限って、一般論で語ろうとします。



自分の軸というものがないので、

大衆の意見に流され、根拠のあるリスクをとることを恐れます。



まあ、そんなことをすれば、

自分の実力のなさを露呈してしまうので、

実際のところは、やろうと思ってもできないのかもしれません。



競馬評論家、競馬新聞記者という肩書きを維持するためには、

大衆の意見に沿った方が、得なのかもしれません。



でも、そんな競馬予想には何も価値はありません。



肩書きにしがみついているだけの競馬予想に

何も価値はありません。



なぜならば、

そこには、大衆の意見はあっても、

競馬予想のする人の主張や意見が何もないからです。







私は、井崎脩五郎さんの予想が好きです。



当たることよりも、ハズれることの方が多いのですが、

あの独特の視点というか、感性は本当に興味深いですし、

新しい競馬予想の楽しみ方を提案しているような気もします。



あれだけ、ハズれているにもかかわらず、

あれだけ競馬ファンに愛されている競馬予想家というのも、

ギャンブルとして捉えることの多い競馬においては、

ある意味特異な存在ともいえます。



あれだけハズしているにもかかわらず、

多くの競馬ファンに愛されているということは、

競馬ファンは意識的にも無意識的にも、

やはり、主張や意見のある競馬予想を求めているのでしょう。









素晴らしい競馬予想というのは、

その人の主張や意見を垣間見ることができる予想です。



どうしようもない予想というのは、

大衆の意見に流されたり、大衆に媚びる予想です。




自分の競馬予想の軸に基づき、

人気馬とスパっと消しにしたり、人気薄を本命にしたりする、

そんな競馬予想家や競馬新聞記者が増えれば増えるほど、

競馬新聞は売れるでしょうし、競馬予想も楽しくなる。



競馬新聞記者という看板ではなく、信念のある競馬新聞記者が

たくさん登場することを、私は楽しみにしています。





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