フェブラリーステークスに学ぶ、最近の穴馬の傾向とは

先日のフェブラリーステークスでは、最低人気のコパノリッキーが勝ち馬となり大波乱となりました。

コパノリッキーが勝ち馬になった理由はいろいろ考えられますが、私はスローペースが波乱の最大の理由だと考えています。

一般的に、雨が降り馬場が悪化すると芝コースでは時計の出方が遅くなるため、穴馬券が出ることが多くなると言われていますが、スローペースも時計の出方は遅くなるので基本的な考え方はまったく同じです。

しかも、スローペースの場合には、時計の出方以外にも穴馬が馬券対象になりやすい要素がたくさん隠れているのです。

では、穴馬が馬券対象になりやすい要素とは、具体的にどのようなことが考えられるのでしょう。

今回は、フェブラリーステークス大波乱の結果から、最近の競馬における穴馬の傾向について考えてみたいと思います。

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なぜ、スローペースは穴馬券になりやすいのか

スローペースの競馬は、勝負どころまでのペースが緩い競馬です。

勝負どころまでのペースが緩い競馬ということは、通常の競馬ではペースについていくことが精一杯で余力がほとんど無い馬でも、スローペースでは余力を持てる可能性が高いということです。

また、差し馬や追い込み馬にとって、勝負どころでペースについてこれず、馬群から脱落してくる馬がいることは大きなチャンスです。

なぜならば、馬群から脱落してくる馬がいることは、馬群にスペースが生まれ、そのスペースを利用することによってコースロスの少ない競馬をすることができるからです。

スローペースの場合には、馬群にスペースができにくくなるばかりか、馬群は凝縮し横に大きく広がります。

つまり、馬群にスペースができない場合、差し馬や追い込み馬は、馬群の外側にコース変更する必要が出てくるわけですが、スローペースでは、馬群が凝縮し横に大きく広がっているため、コース変更する場合コースロスが非常に大きくなるということです。

馬群が固まっていればいるほど、馬群の後ろに位置する馬が選べる進路は少なくなります。

そして、スローペースになればなるほど、進路変更に必要なコースロスは大きくなります。

どれだけ鋭い末脚を持っていたとしても、コースロスが大きく馬群の前に位置する馬に余力がある状況では、有力馬が差し切れないことがあっても不思議ではないと、私は思います。

勝ちを意識するジョッキーが陥りがちなワナとは

競馬は、3馬身差でも、ハナ差でも、先にゴールした方が勝ちです。

つまり、能力差が大きくないレースの場合、ジョッキーの仕掛けのタイミングのちょっとした差が競馬の結果に大きな影響を与えるということです。

このため、多くのジョッキーは、後ろから来る馬に差されることを恐れ、ギリギリまで追い出しのタイミングを遅らせます。

前方に位置する馬が、能力的に見劣る馬であれば、その意識はさらに強まるでしょう。

しかし、その意識が過剰になったとしたらどうでしょう。

馬群の前に位置する馬にとっては願ったり叶ったりの状況になるのです。

また、競走馬の性格によっては、馬群を抜けだした途端、ソラを使うタイプもいます。

ソラを使うタイプは、どれだけ持っている能力が高かったとしても、ジョッキーは僅差で勝つことを考えなければいけません。

つまり、追い出しのタイミングを出来る限り遅らせようとするジョッキーの心理も、馬群の前目に位置する馬にとっては有利に働くということです。

有力馬が後ろに位置すればするほどジョッキーの追い出しは遅くなります。

逆に、有力馬が前にいればいるほど、ジョッキーは早めに潰そうとします。

ジョッキーの心理が過剰に働けば働くほど、穴馬が台頭するチャンスが増えると、私は思います。

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