追える騎手と追えない騎手-豪腕イコール追える騎手なのか

もし、「追える騎手、追えない騎手の違いって何ですか?」と聞かれたら、あなたは正確に説明することができますか。

残念ながら、私は追える、追えないについて明確な答えを持ちあわせていません。

なぜならば、追えるという定義自体が非常にあいまいで人によって解釈が異なるからです。

一般的に言われている追える騎手といえば、豪腕とか激しいアクションの騎乗スタイルなどの力技を得意とする騎手をイメージする方が多いのではないかと思いますが、私のイメージとしては、追えるということは力技を意味するのではありません。

追えるということをより抽象的に表現するのであえば、結局のところ、騎乗が上手いということになるのではないかと考えています。

そして、騎乗が上手いという中のひとつのスタイルとして豪腕とか激しいアクションとかがあるのでは、というのが私なりの解釈です。
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追える騎手の特徴

実績を残している騎手の騎乗スタイルには、バテてきた馬をもうひと伸び動かすことに長けているタイプと、トップスピードを維持することに長けているタイプに分類することができます。

さきほどご紹介した豪腕とか激しいアクションの騎乗スタイルというのはもちろん前者です。

騎手が自ら推進力を生み出していく騎乗スタイルなわけですから、当然力も必要になるでしょうし、力を加えていくためには優れたバランス感覚や重心移動のテクニックが必要でしょう。

見た目には、派手なパフォーマンスとしか見えないかもしれませんが、その裏にはその動きの裏付けとなるテクニックが備わっているからこそ、実績が残せるわけです。

もし、腕っぷしが強いだけだったり、パフォーマンスが派手なだけだったら、それは追える騎手ではなく、ただの目立ちたがり屋です。

これとは一線を画するのが、トップスピードを維持することに長けているタイプです。

こちらは、どれだけ馬の邪魔をしないかを考え、スピードを維持することに重点を置く騎乗スタイルです。

この騎乗スタイルでは、馬の走りを邪魔しないバランス感覚や重心移動が重要になります。

馬の動きに自分をどれだけ合わせられるかがポイントになるわけです。

見た目は違えど、目的は同じ

豪腕とスマート、見た目の印象もやっていることも、まったく異なる騎乗スタイルですが、どちらの騎乗スタイルでも重要となるのは、馬のリズムの同調することができる技術です。

つまり、騎乗スタイルによって見た目の印象は異なりますが、目指しているものは同じだということです。

激しく追おうがスマートに追おうが、それぞれの騎手の特徴を生かしつつ、馬のリズムと合わせられる高い技術を持つ騎手こそが、追える騎手だと私は思います。


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