騎手と厩舎の組み合わせから浮かび上がるG1激走馬の法則とは

先日行われたNHKマイルカップでは、1番人気、17番人気、12番人気の組み合わせで、3連複では18万馬券、3連単では68万馬券という高額配当になりました。

なぜ、こんな高額配当になったのか、いろいろと考えてみたのですが、騎手と厩舎の関係に注目したところ、穴馬攻略のポイントが浮かび上がってきたので、ご紹介したいと思います。

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騎手と厩舎は東西に分かれている

現在、JRAに所属する騎手は、美浦トレーニングセンターに代表される関東所属騎手と、栗東トレーニングセンターに代表される関西所属騎手の2つに大きく分類することができます。

そして、関東所属騎手は中山競馬場、東京競馬場など関東の競馬場を主戦場とし、関西所属騎手は阪神競馬場、京都競馬場など関西の競馬場を主戦場としています。

このため、関東所属騎手が関西の競馬場で騎乗することや、逆に関西所属騎手が関東の競馬場で騎乗することは、わざわざ時間とお金を使って騎乗すると考えることができます。

また、競走馬を管理する厩舎も騎手と同じように、関東所属厩舎と関西所属厩舎があります。

関東所属厩舎は関東の競馬場を主戦場とし、関西所属厩舎は関西の競馬場を主戦場としているため、管理する競走馬を遠征させるのは、ほとんどの場合出走可能なレースの限られたオープンクラスや1600万条件の管理馬となります。

これらのことを考慮した場合、関東所属騎手は関東所属厩舎の管理馬に騎乗するのが一般的であり、関西所属騎手は関西所属厩舎の管理馬に騎乗するのは一般的と考えることができます。

なぜならば、関東所属厩舎や関西所属騎手に騎乗依頼を行ったり、関西所属厩舎が関東所属騎手に騎乗依頼を行うのは、所属するグループが異なるため、距離的な問題や人のコネクションなど、通常の場合と比べ面倒だからです。

にもかかわらず、なぜ、関東所属厩舎が関西所属騎手に騎乗依頼を行ったり、関西所属厩舎が関東所属騎手に騎乗依頼を行ったりするのでしょう。

そのヒントは、NHKマイルカップで人気薄ながら激走したタガノブルグとキングズオブザサンにあると、私は考えています。

騎乗依頼こそが、厩舎の隠れたメッセージ

さきほどもご紹介したとおり、関西所属騎手にとって関東の競馬場は騎乗機会が少ないため、競馬場のコース特性に対する経験値に乏しいと考えることができます。

競馬場のコース特性に対する経験値に乏しいことは、馬場状態や展開によって仕掛けどころが異なる競馬においては、有利に働くことはありません。

つまり、関東の競馬場において行われるレースにおいては、経験値が豊富な分だけ、関西所属騎手よりも関東所属騎手が有利だということです。

そして、競走馬を管理する関西所属厩舎としても、競走馬の適正を見極めた上で関東の競馬場が勝負レースだと判断すれば、関東の競馬場での経験値が豊富な関東所属騎手に騎乗を依頼する戦略をとることも十分考えられます。

実際に、東京競馬場で行われたNHKマイルカップで人気薄ながら17番人気で2着のタガノブルグは、関西鮫島厩舎の管理馬でジョッキーは関東所属騎手の三浦騎手、12番人気で3着のキングズオブザサンは、関西荒川厩舎の管理馬でジョッキーは関東所属騎手の蛯名騎手と、ともに関東所属騎手と関西所属厩舎の組み合わせでした。

関東所属騎手と関西所属厩舎の組み合わせ、単なる偶然の可能性の否定できませんが、厩舎の用意周到な計算のもとに計画された可能性も否定できません。

厩舎として勝負気配濃厚でなければ、騎乗依頼が容易な地元のお付き合いのあるジョッキーに騎乗依頼をすればいいだけのことです。

つまり、あえて遠征先の競馬場で騎乗経験豊富なジョッキーに騎乗依頼をすることに意味があるのです。

関東ジョッキーと関西厩舎、関西ジョッキーと関東厩舎の組み合わせは、人気馬であれば当たり前のことかもしれませんが、人気薄がわざわざ手間をかけて騎乗依頼するということにこそ、厩舎の隠れたメッセージが隠されています。

重賞やG1では、外国人ジョッキーへの乗り替わりばかりが注目されがちですが、コース経験豊富な地元ジョッキーを起用するメリットにも注目した方がよいと、私は思います。

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