東京競馬場芝2400メートルで行われるジャパンカップは、ダービーやオークスと同じコースで比較的紛れの少ないレースです。
このため、能力の高い馬が順当に馬券対象になるケースが多いといえます。
とはいえ、能力が高く人気上位に推される馬の中にも、ジャパンカップで凡走するタイプも少なくありません。
今回は、ジャパンカップで思い切って無印にしたい人気馬の傾向について、考えてみたいと思います。
前走、海外競馬だった馬は軽視
ジャパンカップに出走する馬の中には、ローテーション的に凱旋門賞など海外レースを使った後、ジャパンカップに出走するケースがあります。
世界最高峰のレースともいわれる凱旋門賞で好走した馬は、格の高さから人気上位馬として取り上げられることも珍しいことではありませんが、残念ながらジャパンカップでも同じように好走できるとは限りません。
そもそも、凱旋門賞が行われるフランスの馬場とジャパンカップが行われる日本の馬場とでは、芝の長さや時計の出方が大きく異なります。
つまり、馬場適正がレース結果に大きな影響を与える芝のレースにとって、フランスの馬場で好走したからといって日本の馬場でも同じパフォーマンスができるとは言い切れないのです。
また、日本国内の競馬と異なり、海外で競馬を終えた馬が日本に入国するためには、検疫や観察期間など通常とは異なる手続きが必要であり、競走馬の調整に狂いが生じたり馬の精神面に大きな影響を与えたりする可能性も否定できません。
そして、凱旋門賞に状態のピークをもってきていた陣営にとっては、ジャパンカップに出走するため状態を維持するだけでもひと苦労でしょう。
つまり、前走海外競馬を経験した馬は、いろいろな面において日本国内で競馬をしている馬と比較しリスクが高いのです。
ジャパンカップで好走するためには、入念な準備が必要です。
ジャパンカップよりも凱旋門賞を選んだ陣営が管理する人気上位馬は、ジャパンカップで凡走しても何の不思議もないでしょう。
順調さを欠いている馬は軽視
ジャパンカップは獲得賞金も高額で、天皇賞秋、有馬記念とともに秋の古馬G1の王道ともいえるレースです。
このため、どれだけ能力の高い馬だとしても、調子を崩していたり仕上げのピークを過ぎている馬では太刀打ちすることは難しいといわざるを得ません。
調子落ちや状態のピークを見極めるための、最も簡単な方法として前走の着順が挙げられます。
つまり、前走馬券対象になっていないにもかかわらず実績面から人気上位馬になっている馬は、思い切って無印にしてみる価値は十分にあるということです。
一度落ちた調子を取り戻すためには、休養や時間が必要です。
また、秋のG1で激走を続けた馬には、さらなる上積みを期待するのは酷だといえるでしょう。
ジャパンカップで前走の凡走がウソのように巻き返す馬がいないとは言いませんが、前走馬券対象になっていない馬は人気上位馬であればあるほど、馬券妙味的にも「消し」にした方がよいでしょう。