オールカマーは、天皇賞秋の前哨戦としての意味合いが強い重賞です。
このため、天皇賞秋で有力馬となりうる実績馬が数多く出走してきますが、レース結果が順当に収まる年ばかりではありません。
そして、オールカマーで穴をあける馬の中には、厳しい夏を戦い抜いた強者の姿が見え隠れしています。
今回は、オールカマーで穴馬を狙う方法について、考えてみたいと思います。
前々走1600万勝ちし、前走オープンの壁に阻まれたタイプを狙え
一般的に競馬には、クラスの壁があると考えられています。
たとえば、500万条件を圧倒的な強さで勝ち上がった馬がいたとしても、上のクラスである1000万条件では、即通用しないケースも少なくありません。
勝ち上がりクラスが上がれば上がるほど、時計が速くなるのはもちろんのこと、位置取りやペースの緩急に対する臨機応変な対応を求められます。
つまり、たとえ同じタイムで走ることができたとしても、500万条件のレースとオープンクラスのレースでは、レースの「質」が全く違うんです。
しかし、クラスの壁はレースを経験することによって慣れることができます。
そして、上のクラスのレースの流れを経験することによって、前走では考えられなかった巻き返しが可能になるケースもあるんです。
オールカマーでは、前々走1600万条件を勝ち上がり、前走オープンの壁に阻まれたタイプが、見事巻き返しに成功しています。
ほとんどの競馬ファンが、前走のレース結果から、オープンクラスはもちろん、重賞では通用しないのでは判断してしまう分だけ、美味しい配当を手にする可能性は高まるでしょう。
夏競馬で好走した馬を狙え
オールカマーが行われる中山競馬場と夏競馬が行われるローカル競馬場は、あまり関連性のあるコース形態とはいえません。
なぜならば、オールカマーが行われる中山競馬場は右回りで、夏競馬が行われる新潟競馬場は左回りでコース形態が大きく異なるからです。
また、中山競馬場の芝は、野芝と洋芝の混合であるのに対し、札幌や函館競馬場は洋芝オンリーであり、芝の種類はもちろん芝丈も異なるため、時計の出方や馬場適正が大きく異なります。
そして、一般的に夏競馬は初の実績馬が休養に充てるケースが多くメンバーが手薄。
つまり、どれだけ夏競馬で好走したとしても、春に活躍した実績馬が登場するオールカマーでは、主役に踊り出ることは難しいのです。
しかし、オールカマーに出走する春に活躍した実績馬の多くは、休み明けの秋初戦です。
そして、最大も目標は秋のG1であるため、秋初戦のオールカマーは仕上がりの状態を確認する意味合いも多分に含んでいます。
逆に、夏競馬で厳しい競馬を経験し疲労が蓄積している夏の上り馬にとっては、調子のいいうちに何とか結果を残したいという気持ちが強い一戦一戦が勝負レース。
休み明けの馬とは、オールカマーに対する意気込みが全く違うんです。
人気薄にもかかわらずオールカマーで馬券対象になった夏競馬活躍馬その1
人気薄にもかかわらずオールカマーで馬券対象になった夏競馬活躍馬その2
人気薄にもかかわらずオールカマーで馬券対象になった夏競馬活躍馬その3
ここで紹介した3頭は、オールカマーで馬券対象になった以降の、秋のG1戦線では馬券対象にならず、厳しい戦いを強いられています。
実績馬にとってオールカマーは秋初戦の調整過程かもしれませんが、夏競馬を戦ってきた夏の上り馬にとってオールカマーは、秋競馬の大一番のレースといえるでしょう。